鉄スクラップには大きく分けて「市中スクラップ」と「自家発生スク
ラップ」の二つがあります。このうち一般的に鉄スクラップと言われ
るものは、市中から発生する「市中スクラップ」のことです。そして
各製鋼メーカーにおいて製鋼する際や、加工の際に発生するもののこ
とを「自家発生スクラップ」と呼び、これは各工程の中ですでに再利
用が図られており、市中に出回ることはありません。
現在、市中スクラップは年間約3,400万トンが回収され、リサイクル
されていますが、その発生量は鉄鋼蓄積量と大きく関係しています。
鉄鋼蓄積量とは日本国内で使用され、現在何らかの形で国内に残って
いる鉄の総量のことで、その形態はビルや橋などの建築物や自動車、
家電製品からカミソリの刃まで様々です。
そして、この鉄鋼蓄積量が現在、12億トン(2004年度)を越えてさら
に増加し続ける傾向にあります。これまで鉄スクラップの発生量は鉄
鋼蓄積量の約2~3%で推移しておりましたが、こうした傾向により鉄
スクラップの発生も必然的に増加するものと予想されています。

鉄スクラップの主な加工方法は以下のとおりです。
【1】プレス(圧縮)加工
あき缶や新断くず(薄板を工場などで切り抜いた後の端切れ)冷蔵庫
など、薄い材料でできていて、空間のあいた鉄スクラップを型に入
れて圧縮し、箱型にまとめる加工法です。
【2】シャーリング(切断)加工
パイプや建材など、厚みがあり長い材料を一定の長さに切断する加工法です。通称「ギロチン」という物騒な名前の
プレスシャーリング(圧縮切断機)による加工が一般的です。なおシャーリング加工に限らず、鉄スクラップの積み
下ろしや機械への投入は、バケット(カニのはさみや人の手のような形の「つかむ」装置や、マグネット(電気式の
大きな磁石)のついたクレーン等で行うのが一般的です。
鉄スクラップは、その種類によって定められた規格(製品の種類と検収規格)に加工され、主に製鋼メーカーに納入
されます。 そして加工された製品は、さらに材料の種類や加工方法により規格が決まっており、品種としてはヘビー
(ヘビーメタル・主にシャーリング加工されたもの)・プレス(プレス加工されたもの)・シュレッダー(シュレッ
ダー加工されたもの)・新断(新断くずを処理したもの)・ダライ粉(旋盤の削りくず)等があり、それぞれ品質等
により等級が定められています。
鉄以外の不純物を取り除くなど、きちんと加工処理鉄スクラップは、主に
電気炉で溶かされて再び新しい鉄に生まれ変わります。日本国内にはおよ
そ60社の電気炉による製鋼メーカーがあり、2005年度は全体で約2,884万
トンの鉄を生産しています。これらは建材として使用される棒鋼や、H型
鋼として製品化される他、近年では薄板等にも加工されるなどして大いに
活用されております。